【ポマール最上の畑レ・リュジアンの西に接する稀有な村名レ・ヴォムリアン!・・赤を積層した深い粘土のニュアンスが、明るく複雑に感じられる逸品です!】

ん~・・2021年ものも滅茶美味しかったんですが、今回の2022年ものとはだいぶ違うと・・感じます。これ、相当素晴らしいです!・・2021年ものもお薦めしたんですが・・何故か売れないなぁ・・。
で、やはり2021年ものはもっとスッキリ、透明な石英のようなニュアンスを漂わせていたと記憶しています。ルビーなニュアンスに長けていたと。
ですが2022年は深~~い粘土です。そして深い粘土と言えばリシュブール...?・・乾いた粘土、赤茶けたニュアンスの入った赤紫に黒・・なのでしょうが、こちらはそこから黒を除いて、ついでに湿り気を加えたかのような濡れた粘土。なので、メルロのような深い味わいに近いかもしれません。
で、その赤を何層にも積層させ、質感の高い赤い粘土の深く複雑な味わいがするんですよ・・。これ、相当旨いと思います。
一般にはレ・リュジアンは、下にあるレ・リュジアン・バが秀逸で、上のレ・リュジアン・オーはやや軽いとされ、レ・リュジアン・バが貴重と言うイメージが有ります。
しかしながらどうでしょう・・。どっしりとした味わいなら「バ」ですが、そもそもポマールは重厚さ命みたいなところが有りますから、上部の「オー」でも充分過ぎるほどに中低域の重量感は備わっているんですよね。

ですから、赤い果実もたっぷり感じさせつつ、中高域の軽妙さを感じさせてくれるこのレ・ヴォムリアンは、
「村名にしておくのは惜しいクリマ!」
でも有るかと思うんですね。
もちろん、結果的な感想では有りますが、昨今の温暖化の影響を考えますと、これほどに密度が高く、しかも「品格が備わる」のであれば、
「1級並み・・もしくは準1級以上」
と言うような評価が正当なところだと思います。
流れるのをためらいつつグラスの淵にへばり付いている涙からもその赤い粘土由来の粘性が伺えると思います。素晴らしい出来です!・・是非飲んでみてください。超お薦めです!
以下は以前のレヴューです。
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【ピエール・エ・ルイ・トラペのトップ・キュヴェ!・・あのギルベール・ジレの赤のようなニュアンスに・・ちょっとビックリ!】
ピエール・エ・ルイ・トラペの今のところのトップ・キュヴェ、ヴォームリアンです。
ここは・・あのポマール随一の畑、1級リュジアンの上部・・と言いますか、脇に接する村名畑です。
リュジアンもまた、上部のリュジアン・オーと下部のリュジアン・バに分かれていまして、今までは下部のリュジアン・バがより優れているとされていました。
しかしながら昨今の温暖化もあり、地質が若干異なる(上部はチョーク質、下部は石灰粘土)としても、
「やや日照が劣る方が良い」
と言う判断も出来ます。
昨今はサヴィニー=レ=ボーヌとかショレ=レ=ボーヌとか・・でも、以前は、
「日照不足で桜の花の色彩」
なんてワインが多かったものが、
「非常に美しいルビー!」
に変わって来ています。
このヴォームリアンは、リュジアン・オーの上部に接しつつ、丘の腹に沿って伸びている畑でして、以前ですと日照に問題が有ったものの・・
「現在では好都合!・・余分な果実が無く、よりテロワールを美しく反映させることが出来る」
可能性が有ると感じます。

あの・・一瞬で大人気になってしまったギルベール・ジレの2020サヴィニー=レ=ボーヌ・レ・プランショ・デュ・ノールにも似た「複雑性」を感じさせてくれたのでちょっとビックリしましたが、透明感、半透明感のあるミネラリティがしっかり存在し、それをかき分けるかのように様々な要素が顔を出します。
果実感も充実していますが突出はしておらず、肌理の細かい複雑さを強く感じました。
現状で飲んでも飲めなくは無いですが、
「このワインは3~5年ほど寝かせるのが吉」
かと・・思います。
実は他にも2020年ものなども、他のアイテムのものも飲んでいまして、結構に・・
「何となくピエール・エ・ルイ・トラペのワインのイメージ」
を掴んでいます。
親父さんのドメーヌものに比較しますと、ややミネラリティが前面に出た形で、果実感はその後ろに回る感じ・・です。でも勘違いしないでくださいね。親父さんのドメーヌ・トラペのワインと比較して・・の話しです。他の造り手を比較しますとちょっと異なる表現になります。
ピエール・エ・ルイ・トラペのトップ・キュヴェですのでちょっと値が張りますが、結局はトラペですから・・間違い無いでしょう。ご検討くださいませ。