【どぁわ~・・そ~ゆ~こと!「・・ミレさん・・こ~いうのが造りたかったんだ!」とヒシヒシと伝わって来るド・ヴォギュエ的な存在感と完璧さ!・・でも味わいはむしろあの大人気ドメーヌに近い!】

もうこれは・・ブルゴーニュワインファンなら絶対口に出ちゃいますよ・・。
「・・え~っ・・そっちか~・・でも、めっちゃ旨いじゃん!」
と。
まぁ、このワインがフィサン村名だと言うことも有るかもしれません。ド・ヴォギュエ再興の立役者、フランソワ・ミレ(ミエ)さんのワインですから、どうしてもド・ヴォギュエのシャンボールとか1級とか・・をイメージしてしまいますよね。
やはりシャンボールでは無い・・と言うのが効いているのかもしれませんが、リアルワインガイド誌も、他のメディアも言うように、
「お~・・まんまヴォギュエ!」
と言うのは・・
「ん?・・それ・・ちゃうやん?」
と、noisy的には言いたくなるワインです。もちろん印象はその人の感覚的なものですから、それらを非難するものではありません。あくまでnoisy 的な感覚でものを申しているだけのことです。
やはりド・ヴォギュエのワインは石灰系ミネラリティがピシッとしていますし、酒石酸的な伸びやかさがスッと伸びて行くんですね・・例え閉じて硬くても。
しかしミレさんのこのフィサン・アン・ロリヴィエに限ってのことでは有りますが、その凄い存在感以外には、余りド・ヴォギュエを感じませんでした。
じゃぁ・・誰に?・・何に似ているか?・・と言いますとですね・・勘違いしないで欲しいんですが・・
「新樽由来の影響を排除したルーミエさん」
です。
まぁ・・そこに加えて、
「近年のフレデリック・コサール」
です。
葡萄は良く知っている生産者さんから購入しているそうです。「ぜひとも買ってくれ!」とずいぶん言われるそうでして・・そりゃそうかもしれません。超有名人ですから、ミレさんに葡萄を買ってもらっていると言うだけでも「ハク」が付くのでしょう。
完全除梗でイノックスから古樽・・熟成期間は通常より半年ほど早いです。ここから想像されるのは、
「ピュア」
ですね。場合によってはリリース直後は閉じ気味だったかもしれません。
ちなみにこのアン・ロリヴィエは、アメリー・ベルトーでお馴染みのあのフィサン1級レ・ザルヴレと同じ高度、北に接する畑です。

で飲んでみますと・・エライ旨い・・(^^;; もう、この美しさ、エレガンス・・たまらないですね。
ド・ヴォギュエやルーミエさんと異なるのは、
「新樽由来の影響が無い」
ことです。
そして2020年と言う超暑いヴィンテージに、
「13.5度」
と言うエレガントなアルコール分です。
新樽を使用することで失うフレッシュな酸の美しさは、使用しないことで・・・
「超美しい!」
です。
そして濃度ですが、
「ルーミエさんは濃いが、ミレさんは濃いとは言い切れない濃度」
でして・・果実酸が非常に美しく、まだ官能感などは出ていません。
今は完全エキスに成りかけの状態・・ほんのりと「ザクっ」とした僅かに粒感のあるテクスチュアの中に、とんでもなく冷たく質の柔らかなタンニンと果皮由来の豊満に在る成分が混じっていて、
「摺りおろし果肉入りのドライな・・質感最高の黒赤チェリー」
のニュアンスがいつまでも・・身体に残ります。
余韻も静かに・・しかしそのドライな味わいのエナジーは、純粋で冷ややかに「たぎって」いるんですね。
これ・・美味しくないと言う方はいないでしょう。ただし新樽系では無いので、官能感などはずいぶん後になってから出てくるはずです。
アンリ・ジャイエが引退を口にした頃からつい最近までド・ヴォギュエにいらした訳で、様々な技術を試されてきたことでしょう。その結果が、
「ピュア・ピノ・ノワール!」
なんだと・・ちょっと noisy もビックリしました。考え方はむしろ、ビオ系の生産者さんの醸造に近いんじゃないかと思います。
少な過ぎてお勧めするのも気が引けますが、
「これはもう・・どこでももし買えるのなら買うべき!」
と・・(^^ どうぞよろしくお願いいたします。