【サヴィニー=レ=ボーヌの最西と最東の低地の村名畑をブレンド!・・ある意味、エレガントなサヴィニーらしさをクラシカルに表現した佳酒です!】

noisy がワインをお勉強し始めた頃のブルゴーニュ・ピノ・ノワールと言えば、このようなクラシカルなブルゴーニュ・ピノ・ノワールばかり・・だったと思い出します。
そしてそこにアンリ・ジャイエ的な低温発酵系濃密果実・・(今じゃ濃密とは言えないレベルですが)や、D.R.C.などの高温発酵系が見せるエキスの美味しさに触れ、
「・・こんなブルゴーニュ・ピノ・ノワールも有るんだ!」
と知ってからはもう・・心のどこかにいつも「ブルゴーニュ」が居座っている状態になってしまったと思うんですね。
そしてそんな素晴らしいピノ・ノワールをアレコレ試すようになった訳でして・・そのたびに、
「・・ん~・・ジャイエと比較するとルジェは・・」
とか、
「D.R.C.とミュヌレ=ジブールは似てるよな~・・」
などと勝手なことを言うようになった訳です。
ピノ・ノワールとなりますとどうしてもコート・ド・ニュイ中心になってしまいがちですが、余り経験値が無いコート・ド・ボーヌのピノ・ノワールの中にも、時に滅茶美味しいものが有り・・やはりそこも突いてみたくなる訳ですね。
そりゃぁ・・ドクトル・バロレの超絶に古いボーヌ村名などを飲んだ日にゃ・・
「・・なんじゃこりゃ~!」
と唖然とする訳です。ただのシャサーニュが50年も経過したら・・こんなになるのか!・・とか、ヴォルネイ村名に過ぎないのに・・とか・・もう、目から鱗が剥がれて落ちる思いでした。

アドヴォケイトがギユモも1級オ・セルパンティエールの1947年ものに「96ポイント」も付けています。これは2021年に評価したもので、2027年まで美味しく飲めると言っています。ワインの寿命は想像するよりも全く長いものであることは明白ですが、それでもワインの保存状態に大きく左右されますが、造り手の醸造スタイルにも寄ることも間違いないでしょう。
ギユモのスタイルは、ハッキリ言って・・クラシカルです。葡萄の実を過熟させることなく、伝統的な手法から大きく離れずに醸造していると感じます。
ですので、noisy的には非常に心地の良いものに感じますが、昨今の・・
「濃くて甘いピノ・ノワールに慣れた方にはどうか?」
と言いますと・・1級のオ・セルパンティエールや、村名のレ・グラン・ピコタンなら良いですが、このサヴィニー村名V.V.だと・・甘み不足だと・・そうは思わなくても「不足気味」だと感じるに違い無いでしょう。
ですから、やはりここは基本に戻るべきで、
「品温は16度で」
とするのが良いと思います。もう、13~14度で飲むのと16度では雲泥の差なんですね・・。エレガント系のクラシカルなピノ・ノワールは16~17度が基本です。それらよりも甘いようであれば締める「冷やす」のが良い訳でして、そこは決して間違えないようにお願いいたします。
このサヴィニーの西と東をブレンドしたサヴィニーV.V.は、まさにエレガントなサヴィニーそのものを感じさせてくれる味わいです。非常に繊細な味わいをしていますが、繊細なアロマで有るのも当然です。細やかなアロマには、ほんのりとスパイスやボタニカル、皮革、果実が混じります。細やかな接触感の後にもそれらはほんのりとノーズに還って来ます。大きな抑揚の表情では無く、さざ波のように「じわ~っ」と・・です。まったく甘みは無い・・です。綺麗なエキスです。余韻も同様でじわっと・・長く居続けます。
おそらくですが3年ほどしますと仕上がるかな?・・と思います。今よりもかなり饒舌になっているはずです。
因みにジャスパー・モリスさんはこの村名V.V.と村名レ・グラン・ピコタンを全く同じ評点にしていますが・・noisy 的には解せません。まぁ・・最終的な上値と言うことでしたら近いかもしれませんが・・。レ・グラン・ピコタンが上、サヴィニーV.V.は僅かに届かない・・と思います。
それでもこのサヴィニーV.V.には心を惹かれるものが有ります。もし可能なら今年中に飲んで、また3年後の姿を見る・・いかがでしょうか。ワインのポテンシャルを理解するのには、そのような飲み方が良いと思いますが・・ちょっと難しいかな?・・でもぜひ飲んでみてください。お薦めします!