ドメーヌ・ド・ロルチュ
ド・ロルチュ
フランス Domaine de l'Hortus ラングドック=ルーション
[ oisy wrote ]●ラングドック・ルーションの造り手のご紹介です。ドメーヌ・ド・ドルチュはモンペリエの街から北に約20kmほどの山あいに位置しています。
畑はMontagne de l’Hortusという名の、とても大きな石灰岩の切り出した山の麓です。この岩山は写真で見るだけでもかなりの迫力があり、ロッククライミングなども盛んなようです。
そしてその岩山のミネラルが染み出したかのような・・・充実したワインを造ります。白ワインは特にこの岩山のようなミネラルをダイレクトに感じさせてくれ、赤ワインは全体的に明るい印象ですが、この明るさが積み重なったエキスは他の地域にはない、凝縮しているのに重くない、明るさと深みを併せ持ったワインに仕上がっております。また山々に囲まれた地理的条件のおかげで、ラングドックの造り手でありながら、冷ややかさを持ち合わせているという非常に特徴的なテロワールを感じさせてくれます。ぜひご検討くださいませ。
■エージェント情報
1970年代に当時はまだ農業技師であったジャン オルリヤック氏がモンペリエ近くのロルチュとピク サン ルーという2つの丘の間を開墾しました。第2次世界大戦後、放置され荒れ放題だったこの土地の気候風土に、良いラングドックのワインが造れるであろうと感じたジャン氏は畑、住居、醸造所などをゼロから造り上げて葡萄栽培に臨みました。現在はジャン氏の4人の子供が葡萄栽培、醸造、販売など担当ごとに分けてドメーヌを運営しています。

白亜紀の隆起現象によって出来た2つの丘に守られるような場所にある畑は、降水量がやや多く涼しい地中海性気候に分類されます。畑の広さは60haにも及び、南向きの日当たりの良い、ロルチュの丘側の斜面の区画にはムールヴェードル、北向きのピク サン ルーの丘側の斜面の区画にはシラー、その間の平地の区画にはグルナッシュや白品種のシャルドネやソーヴィニヨン ブラン、ルーサンヌなどが植えられています。
醸造所に運ばれて除梗された葡萄は品種ごとに分けて醸造され、最後にアサンブラージュされます。葡萄品種の使用割合については毎年葡萄の出来具合によって変わります。
● 2019 le Dit de l’Hortus l’Ombree A.O.P. Pic Saint-Loup
ル・ディ・ド・ロルチュ・ロンブレ A.O.P. ピク・サン=ルー
【これがピク・サン=ルーの本領か!?明るい赤果実をまるで無限に積み重ねたような膨張感を持つハイポテンシャルなワインです!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] ピク・サン=ルーという地域の本領を垣間見たような気がします・・・いやはやスケールの大きいワインです。
ロルチュのピク・サン=ルーはやはり全体的に「明るい赤果実」という印象です。ですので下のキュヴェはフレッシュ感が強く、飲みやすいということになるかと思います。これがグレードが上がるにつれて「果実が積み重なっていく」ことによってエレガンスの発露へと繋がっているように感じます。
そしてこのル・ディ・ド・ロルチュは曇りのない赤い果実のエキスの積層感が半端なく、例えるなら赤い果実を何層にも折り重ねて、ギュ〜ッっと詰め込んだような感覚です。故に、収まらんとする液体がこれ以上収まりきらずに溢れてくるような膨張感を持ち合わせています。密度高く、ハリがあり、現時点でピチピチに若々しいです。
そして秀逸なのはムールヴェードル単体での挑戦で、ブレンドでは骨格を担当するといわれるムールヴェードルを単体で使用することで、かなり厚みが出ています。
ムールヴェードルという品種に注目させられたのは初めてかもしれません。果実味に富み、えぐみがなく、シルキーで、微かに皮革のワイルドさを含んでおり、まるで上質メルローのような印象です。ただし、凝縮した果実味でありながら重くはなく、凝縮感に対する重さのバランスはピノ・ノワールに近い印象です。
アペラシオンを名乗るためブレンドが必須の地域において、テロワールの可能性を表現するためのムールヴェードル単体での挑戦によって産まれたこのワインは、その可能性をしっかりと表現しています。
明るい赤果実をまるで無限に積み重ねたような膨張感を持つハイポテンシャルなワインです!膨張感が落ち着いてきたタイミングでのエレガンスがどれほどなのか・・・非常に楽しみでもあります。ぜひご検討くださいませ。
● 2020 Grand Cuvee Rouge A.O.P. Pic Saint-Loup
グランド・キュヴェ・ルージュ A.O.P. ピク・サン=ルー
【まるでブルゴーニュとラングドックの合いの子?!明るい赤果実が積み重なりに、少量のスパイスを含んだアロマ豊かなワインです!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] 冷やかな産地で石灰系ミネラルを持っている産地のシラーやグルナッシュは、結構にブルゴーニュ的になるんだな・・・と最近は感じています。このワインもそのようなワインで、赤果実のエキスとエレガンスが出ていますね・・・
ブルゴーニュの中でもシャンボール的・・・・と思いましたが、いや近いのはジュヴレですね。透明感を持ちながら、果実の抽出感は強いです。そして、ブルゴーニュよりも強調されるのがスパイス感と野趣味です。このニュアンスも決して強くはないのですが、エレガンスに良いアクセントとして含まれています。アニマル香も極々少量含まれているかな。
このブルゴーニュ的な要素と、ラングドック的な要素を併せ持つのがピク・サン=ルーの特徴なのかと思います。冷やかさはむしろブルゴーニュより高いかもしれません。チェリッシュでありながら、アニマルスパイシーなのが非常にオリジナリティがあって面白いですね。これらがまとまってエレガンスを含んだアロマになっています。
エキスの密度も高く、明るい赤果実が積み重なって暗くなったような・・・積層感のある深みのある赤いエキスです。味わいもまさにその色味を反映しているかのように集中感のあるエキスのコク、果肉の風味を感じます。そして非常にクリーンです。
まだまだピッチピチで若々しいです。ポテンシャルもあるので寝かしても良いと思います。ロルチュのワインを飲んで思うのは「酸素によく触れさせた方が旨い」ということです。これは赤も白も言えます。別に還元的というわけではないんですが・・・カメラのフラッシュも急にたかれると怯んでしまうじゃないですか?ロルチュのワインも抜栓仕立ては明るさがキツすぎるような気がするんですね。なので抜栓して翌日とかだと程よく酸素と触れて、明るさがマイルドになって液体がもつ繊細さとか、エレガンスがより感じやすくなります。ですのでデキャンタージュも良いと思います。
明るい赤果実のエキスが積み重なってできた深みのあるエレガンス、スパイスと野趣味を含んだ複雑性のあるアロマが豊かなワインです!ぜひご検討くだ
● 2021 Bergerie de l'Hortus Rouge A.O.P. Pic Saint-Loup
ベルジュリー・ド・ロルチュ・ルージュ A.O.P. ピク・サン=ルー
【他地域ではなかなか味わえない明るい赤果実にシラーのスパイシー感!フレッシュでありながらクリーンなエキスの色彩が美しいワインです。】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] シラー、グルナッシュ、ムールヴェードルのセパージュというのはピク・サン=ルーではメジャーなセパージュです。しかしラングドックのワインということで味わいを想像するとかなり違った印象になるのでお気をつけくださいませ。
ピク・サン=ルーという地域はその名もピク・サン=ルー山と、恐らくロルチュの名前の由来になったであろうロルテュス山などの山々に近接していて、その影響で涼しい気候です。
そのため、ワインはローヌの一般的なワインのように「よく熟した」というよりは、「フレッシュな赤果実」がメインのワインとなっています。
最近シラーやグルナッシュも冷涼な地域だとなかなか綺麗な赤果実の印象を持つことに気付きました。このワインもそのようなワインです。そこにスパイスや野のニュアンスが混じってきます。この辺りは品種特性が出てきますね。色合いも透明感のある赤ということが写真からもわかるかと思います。
そして、味わいも非常に明るいワインです。フレッシュ感のあるチェリーなどの赤果実系です。フィネスさんのチョイスなだけあり、クリーンで綺麗なエキス感です。フレッシュでありながら積層感を感じるのはさすがですね。ムールヴェードルの役割も大きいのかもしれません。
明るい赤果実にシラーのスパイシー感というのは他の地域ではなかなか味わえない・・・のではないでしょうか。フレッシュでありながらクリーンなエキスの色彩が美しいワインです。ご検討くださいませ!
● 2021 Grand Cuvee Blanc I.G.P. Saint-Guilhem-le-Desert Val de Montferrand
グラン・キュヴェ・ブラン・サン=ギレム=ル=デゼール・ヴァル・ド・モンフェラン
【そびえ立つ岩山由来!?ギラつくミネラリティと、フルーツや花の明るいアロマティックさをふんだんに持ち合わせたワインです!】[ oisy wine ]
[ oisy wine ] 恐らくこのラベルの絵はロルチェの畑の裏にそびえ立つ岩山かと思います。この岩山、本当に大きくて・・・雄大なんですよ!森の中に佇むエアーズロックのような、存在感が半端なく、さすが大陸の自然だな・・・と感じます。
そしてこのロルチュのグラン・キュヴェですが、その名の通りロルチュのまさに岩山のミネラリティをワインに閉じこめたかのような・・・スケールの大きさです!石のような硬質なミネラリテイが液体に溶け込み、少し解けるように丸みを帯びて、香りにまでミネラリティを感じるほど行き渡っております。その影響かギラつくような輝きを持った黄色の発色をしています。
香りもアロマティックでありまして、前述のようなミネラリティを感じながら、洋梨、アカシアの花、杏子などの黄色のフルーツと花、そこに若干ペトロールのようなニュアンスと穏やかなミントのようなグリーンの香りがアクセントになっています。結構明るい印象のワインです。
粘性があり、とろっとまではいかないものの、オイリーなニュアンスがあり、密度と凝縮感の高い液体です。果実のコク味も十分すぎるほどです。ラングドックにしては冷やかな酸を感じるのはこの岩山に当たる風などの影響もあるのかな。結構な涼やかさも併せ持っています。ですので、もったり感は感じません。高い熟度ながら、冷やかで綺麗な酸を持っています。
ワインというのはテロワールが持つ影響を鏡のように味わいに映し出すから楽しいですね!いやこの場合は気候なども含めた「クリマ」という表現の方が正しいでしょうか。
ギラつくミネラリティと、フルーツや花の明るいアロマティックさをふんだんに持ち合わせたワインです!今飲むなら、デキャンタでがっつり酸素と触れ合わせた方がいいかもしれません。ご検討くださいませ!
● 2022 Bergerie de L'Hortus Blanc I.G.P. Saint-Guilhem-le-Desert Val de Montferrand
ベルジュリー・ド・ロルチュ・ブラン・サン=ギレム=ル=デゼール・ヴァル・ド・モンフェラン
【黄色のフルーツのアロマをふんだんに感じさせてくれながら、豊富なミネラルと果実酸とオイリーさを持ち合わせたラングドックの白ワインです!】
[ oisy wrote ] なんだかボリュームのあるミネラリティだな、と思ってGoogleMapでドメーヌの写真を見たら、畑の上部の方ににずいぶん大きな岩山がそびえ立っていて、びっくりしました。こいつがこのミネラリティの源か・・・まるで秩父の武甲山の岩肌のようなどっしりとした岩山です。写真で見るだけでもかなりの迫力です。よろしければ、ぜひ検索してみてください。
ミネラル感が豊富といっても、その素性は割とシンプルで、ガラスのような少し厚みのあるミネラリティです。テクニカルを見ると、石灰系を含んだ沖積土のようで、オイリーさもあるのは、よくぶどうが熟すラングドックという土地柄もあるのでしょう。果実とミネラルとがよく結合して一体感と密度を感じられます。
ツヤツヤで、曇りのない、輪郭のクッキリした味わいです。この辺はミネラルの素性と発酵から熟成までをステンレスタンクで仕上げるスタイルが出ているのだと思います。
果実のニュアンスは、意外にも冷やかさを持ち合わせています。香りは、パイン、洋梨、レモンなど黄色のフルーツ盛りだくさん!といった様相でアロマティックに香ります。しかし注意点としては、果実の要素は強いもののトロピカル感はなく、ドライで引き締まった味わいをしています。それがこのワインの魅力でもあると思います。
味わいの中の果実はグレープフルーツを連想させるような、ドライで、新鮮な酸があり、わずかな果実の苦味を感じさせてくれます。フレッシュと一言で片付けてしまうにはあまりにもったいない味わいバランスをしていますね。
魚介を合わせるならバターやオリーブオイルなど、少しコーティングしてくれるような調味料を用いるとグッと相性を引き寄せてくれそうです。粉をまぶして揚げるような料理にも合いそうです。生野菜も良いですね。サラダにするならチーズをかけたり、割りとしっかり目のサラダなんか相性が良さそうです。
肉系なら鶏がベターでしょうか。牛などの赤身系が持つ鉄分とはあまり合わなそうな印象です。ですから魚介もマグロなどの赤身系はどうかな~と思いますが加熱
● 2021 Bergerie de L'Hortus Blanc I.G.P. Saint-Guilhem-le-Desert Val de Montferrand
ベルジュリード・ロルチュ・ブラン・サン=ギレム=ル=デゼール・ヴァル・ド・モンフェラン
【2021はソーヴィニヨンのアロマが強め、各ぶどう品種の特徴が出たセパージュの妙が面白い、ロルチェ・ブランのご紹介です!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] 年によってセパージュの比率が変わるというのは面白いですね。2022ヴィンテージは割りとニュートラルだったので、シャルドネが強いように感じたのですが、2011は新鮮なハーブのようなグリーンのアロマが主体的でソーヴィニヨンを強く感じます。そこにリンゴ、グレープフルーツ、梨、蜂蜜などの果実の風味のボリュームを感じます。ここはルーサンヌの特徴でしょうか。
基本的にクリーンな味わいなんですが、果実の充実感が高く、コクを感じます。この辺りはヴィオニエの特徴とルーサンヌの果皮浸漬の影響もあるでしょう。そしてシャルドネが全体をまとめている、そんな味わいのバランスをしています。
それぞれの品種がちゃんと役割を持ったバランスの取れたセパージュをしています。そして、毎年のぶどうの出来によって、フレキシブルに調整をしているのかなと思います。今年はソーヴィニヨン・ブランの出来が良かったから主体にしよう。みたいな。
ステンレスタンクでの熟成でフレッシュなワインを目指しているとのことですが、この高い充実感はおそらく樽で熟成させるだけのポテンシャルがあるのではないかと感じます。なので、「フレッシュなワインとしては贅沢なポテンシャル」をしています。
酸も冷やかで、全体的にエキスの密度感も高くあり、満足感の高い一本です。今年はどのぶどうが良かったのかな・・?と探りながら飲むのも一興かと思います。ご検討くださいませ!
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