
こちらもジュヴレ=シャンベルタン村名同様に・・なんと15.5度です。パカレのアンディジェーヌのアペラシオン拒否は一体なんだったんだ?・・横断道路、みんなで渡れば怖くない・・的な判断なんでしょうか・・とさえ思ってしまいます。
しかしこのボーヌ・レ・グレーヴ・・おそらく砂地の影響だと思いますが、ボーヌの中庸よりも少し重い感じが無く、アロマが「すっ」と高域に抜けて行く感じがシャンボールっぽくも有り、またそれが高質な果実や花弁のリアリティさにつながるのでしょうか・・何とも心地良いんですね。
まぁ、皆さんは「ボーヌ」と言うと避けて通る訳ですが、このレ・グレーヴだけはちょっと周りと違うんですね。ボーヌの北側の1級畑には秀逸な畑が多めに存在しますが、中でもこのレ・グレーヴは、
「ボーヌ特有の土っぽさが無く、華やかさと軽妙さが有る畑」
なんですね。
先日ご案内させていただいたルイ・ジャドのクロ・デ・ズルシュルなどはもう少し黒い感じのする粘土由来の表情が多いので、言ってしまえば・・「相当違う」と思います。
で・・ルジェさんのネゴスのこのワインも、そんなテロワールをしっかり感じさせてくれながら、2020年ものが持つ特有のアルコール分も持ちつつ、シャンボール的な香水っぽさやテクスチュアの滑らかさも持っていると言う、実に不思議な・・いや、ちゃんとした・・(^^;; ワインに仕上がっているのが・・実に不思議なんです。

面白いのはジュヴレのコラムでも書かせていただきましたが、
「写真は事実を映し出す」
のでしょうか。やはり同様に薄いフィルムが掛かったような感じがして、幾分アルコール分が映っているかのようにも感じます。
色彩はそこまで濃くは無く、果実の充実さが見えますし、斜め横にしっかり伝っている太目の涙がまた・・なんとも充実した味わいを想像させてくれます。
いや・・これは旨いです。コート・ド・ボーヌのワインって、結構な重さを感じるものですが、軽妙・・と言いたくなるほど軽やかです。しかし「軽過ぎない」し、この充実した味わいとバランスにこそ、やはり・・
「ボーヌのテート・ド・キュヴェ」
たる畑のポジション..格を感じます。
因みに列挙してしまいますが、大昔からのボーヌ・テート・ド・キュヴェは以下のアイテムです。
◇クロ・ド・ラ・ムース
◇クロ・デ・ムーシュ
◇レ・ブレッサンド
◇レ・クラ
◇レ・グレーヴ
◇レ・マルコネ
◇シャン・ピモン
◇レ・フェーヴ
またこのワインは相当長く持つと思います。ボーヌの1級ワインが須らくこのような高質さを見せるのであれば、もっと人気になってしかるべきかな・・と思います。ご検討くださいませ。