【 Finesse Back Vintage Summer Festival !! 何と、ジャン=ニコラ・メオご自慢のクロ・サン=フィリベールの10年もの!・・藤田社長の厳しいテイスティング結果を経てのご案内です!】
他のコラムでも書かせていただきましたので簡略でお伝えいたしますが、フィネスさんでは社員総出で夏場に貯蔵していたバックヴィンテージのテイスティングをされています。同じアイテムを毎年テイスティングする訳では無いそうですが・・結構・・何故か毎年のように・・なるそうです・・(^^;;
藤田社長のOKが出ると、そんな貴重なアイテムを・・運が良いと Noisy wine もいただけることになります。ですが、如何に厳しいテイスティングを経たと言っても、全ての個体をテイスティングのチェックをする訳には行かない訳ですから、「そのワインの総体としてOK」と言うことですね。
ワインはし好品ですから、飲まれる方の好みで・・好き嫌いで良い訳です。ですが時折・・本当に稀ですが・・自身の好みだけが正解だと・・それ以外はワインとして失格で、そんなものは販売すべきではないと言い張る方も・・中にはいらっしゃいます。言ってしまえば、自分が気に入らなかったのはあなたの性だと言っているのと同じなんですね。
ワインは長い寿命を持っています。どんなワインでも・・大量生産のものでも、10年やそこらは平気で持ちます。
「いつ飲むか?」
とか、
「どうやって飲むか?」
は飲む人の特権です。
よくよく聞いてみると、そのような方はそのワインに合わせるのではなく、自身のスタイルに合わせて飲み、気に入らないと言っているだけだったりします。10年もののワインを澱の存在も確認せず、いつもと同じようにキンキンに冷やして飲んで・・その結果、怒り出す訳です。
ネガティヴな話しで気を悪くしないでくださいね。でも、少なくとも古めのワインを開けるときには、やはりそのワインのことをよく観察し、今飲むべきか・・とか、どうやって飲んだらより良いだろうか・・、じゃぁ誰と飲むか?・・グラスはどうしよう?・・品温はどのくらいで行こうか?・・何と合わせようか?・・最悪状態が良く無かった時は他に何を用意しておいてゲストと楽しもうか?・・などなど・・です。
このクロ・サン=フィリベール2013年もまた、収穫から10年の時を経ています。まず・・それをリスペクトして価値を認め、今まで誰にも開けられずにいたことに感謝したいものです。その上でいただくことが出来れば、10年の時の重さを感じつつ、このワインの真の美味しさを知ることが出来ると思います。ご検討いただけましたら幸いです。
以下は以前のレヴューです。
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【ボーヌの偉大なシャルドネに比類しうる見事な出来映えです!めちゃエレガントなのに・・芯はズ太い味わいです!】---以前のレヴューを使用しています。
noisy には・・このクロ・サン=フィリベール、
「・・樽っぽいが図太く、3年置いたら美味しくなる・・」
と言うようなイメージがずっと有りました。なので、どうしてもその時に鼻に入ったバリックのフレーヴァーが・・今でもアリアリと思い出されるような感じなんですね。
で、2019年のクロ・サン=フィリベールをテイスティングしますと、昨年の2018年もののイメージと一緒に脳裏を彷徨っているのは、その「樽臭い・・」感じ。
その古いイメージを全く吹き飛ばしてしまう程に、ピュアでミネラリティに溢れ、ほんのりとナチュラルさの漂う・・
「・・あれ?・・ボーヌの美味しいシャルドネ?」
と勘違いさせるに違いないほどの仕上がりなんですね。
思わず唸ってしまいますよ・・先日も、某ドメーヌのシャブリ・グラン・クリュ・ブーグロをテイスティングさせていただきまして・・いや、悪くは無い・・そこそこには美味しいんだけれど、
「これ、ブーグロ・・グラン・クリュすか?」
と・・そのエージェントさんが聞いたら眉間にしわがよってしまうに違いないような独り言が出てしまいました。
まぁ・・noisy は、おべっか を上手く使えない不器用で正直な人間ですんで、それで随分と苦労してきた訳ですが・・治りませんね。三つ子の魂何とやら・・です。
ですが、このクロ・サン=フィリベール・・2018年までも滅茶美味しかったですし、神懸かって来たと書いたような気もしますが、2019年ものはあっさり超えてます。完成された美味しさ・・と言えるかと思います。是非お楽しみください!・・コート・ド・ニュイでこれほどまでの白ワインが造れるんだと言う、良い証拠です。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【神懸かり級!!・・呆れるほどに素晴らしいです!これを飲まずにブルゴーニュの白を語れない!・・と思ってしまうほどです!】
素晴らしい・・本当に心が洗われるような・・と言うか、ワインの持つ魂と言うか、そんな言葉では表わせないような「存在」とか「存在感」が、一口飲み終えた後も、いつまでも「そこにある・・続いている」と感じさせられてしまう・・そしてそれが全く嫌味も無く、心地良さが持続していることに驚かされるワインでした。
これが2018年のメオのドメーヌものの真骨頂なのかどうかまではまだ判りませんが、この「クロ・サン=フィリベール」を飲めば、昨今のメオ=カミュゼがどれほどの「存在感」を見せるのかは間違いなく理解できると思います。
ジャン=ニコラ・メオさんはこのワインについてこんな風に語っています。
「火打石のような還元香も少し感じられるが、白い果実を彷彿させるような素晴らしい香りが圧倒的。オイリーな口当たりと緊張感のある酸味、繊細でバランス良くまとまってはいるが余韻に少し固さを感じるので2022年まで待ったほうがより本来の味わいを楽しめるだろう。」
いやいや・・今から飲んでも大丈夫ですって・・。呆れるほど美味しいですよ。
冷ややかな酸と適度に引き締まったボディからのテクスチュアはオイリーさをほんのり感じさせながら喉に落ちて行きます。繊細でナチュラルでピュア。ちょっと氷を連想させるような冷ややかでキラキラした酸と透明なミネラリティが・・おそらくたっぷり有るははずなんですが、余りにバランスが良過ぎて、しかも「キュッ」と氷のカプセルのようなものに閉じ込められているようなニュアンスで喉を通り過ぎて行きます。僅かな粘性が残像を残しつつ・・です。
まるでボーヌの偉大なシャルドネのような振る舞いを見せますが、決して崩壊までは行かず、その美しい姿を保持したまま最終局面を迎えます。そして無くなる・・・いや、無くならない!・・いつまでもずっと・・超高質な締まった柑橘やミネラリティを延々と感じさせ続けるかのような振る舞いなんですね。
これにはま~・・ぶっ飛びました。今まで飲んだクロ・サン=フィリベールで最高でしょう。
抜栓直後はわずかにバリック由来の香りが分離されて感じますが、良いところ・・その時間は5分ほど。そこからはドメーヌ・メオ=カミュゼのマジックタイムに突入です!
購入できた方は非常にラッキーだと思います。「呆れるほどに旨い!」です。是非飲んでみて下さい。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【今回の2017年ものは飲めておりませんが、ACブルの仕上がりを見る限りにおいて、かなりの良い出来が想像されます。以下は以前のレヴューです。】
【この感性!・・昔のメオ=カミュゼのイメージはすでに無いと言えます!ベストなタイミングでの収穫がこのエレガントな味わいを生み出す第一義的要因でしょう!】
近年のメオ=カミュゼのワインには驚かされることが多いですが、このジャン=ニコラご自慢のモノポール、クロ・サン=フィリベール2015年の味わいにも驚かされました。
どんどんエレガンス重視のブルゴーニュワインらしいピュアな味わいに邁進しているのは判っていましたが、クロ・サン=フィリベールは人気商材なので、ワイン屋でもたまにしか飲めないんですね・・。
そもそも昔の(10年も前位の)クロ・サン=フィリベールのイメージと言えば、過熟気味に収穫されバリックを利かせた大柄なもの・・リリース直後は樽のニュアンスがワインから浮いて感じられ、やや甘味を感じるものなので、3~5年寝かせると一体化し、ボーヌの大柄なシャルドネに似せた味わいになるが、ややもするとローヌの白ワイン的に成りがち・・みたいなものでした。
まぁ・・そんなイメージはもう全く感じられません。天候が良いとブルゴーニュらしい酸は徐々に失われ、糖分が多くなります。そんな過熟気味の葡萄を醸造すると、当然ながらアルコール発酵しなかった糖分が甘味として残ります。つまり、酸は弱めで少し甘いバランスのワインになります。そこにバリックのニュアンスが加わる訳ですね。
それはそれで美味しいんですが、やはりリリース直後は「樽臭い」感じになってしまいますし、やや甘味に頼った構成にならざるを得ません。
2015年のクロ・サン=フィリベールは、ベストのタイミングで健康な葡萄が収穫できたと思える優れたバランスの酸とドライな味わいを持ち、非常にピュアで美しいです。
どうやってもどう似せてもボーヌのシャルドネのような味わいバランスにはならないんですから、クロ・サン=フィリベールはクロ・サン=フィリベールとしての真の姿を見せよう・・と言う感覚なんじゃないかと思うんですね。
しかも2015年は全てにおいてバランスが良い・・酸の量・バランス・美しさは総体のバランスに直に影響します。それでいて、まるでバリック臭さは無く、そのピュアな美しさを汚していないです。
冷ややかな果実酸とドライな味わいからこそ、真の姿が見えてくる・・これは非常に美味しいし、オート=コートの実力もしっかりと見えると思います。
また、ジャン=ニコラの2015年ヴィンテージの総評にも書かれています(ドメーヌ説明欄)が、黄色文字の部分・・非常に印象的です。
この部分は noisy も常に感じているので、コラムのアチコチでも記載していますが、プロ、アマ問わず、
「直近の味わいしか切り取れない、受け取れない感覚」
の持ち主が非常に多い・・と言うことですね。
その上で美味しかったとか旨くないとか・・言ってる訳ですが、まぁ、アマならそれもまだ良いですが、プロがそれじゃぁいかんだろうと・・遺憾ですと・・言いたい訳です。
アマでも、そのような飲み方しかできないとするなら、ワインの楽しみの半分以上を最初から捨てていることになります。
「ポテンシャルを測る飲み方」
をお勧めします。
これについては時折書いていますので、敢えてここでは書きません。重要なのは、そのような飲み方が出来ることで、
「あの時は全く美味しく無かったのに、15年後にたまたま飲んだら・・滅茶苦茶凄かった!」
と言うようなことにはならないんですね。下手をすると・・
「そうか・・15年前に飲んだワインはコンディションが悪かったんだ・・」
などと思い込みかねないんです。
そんなことは無いとは言えませんが、そのように人間は自己弁護の思考回路が自動的に働いてしまいますから、延々と同じことを繰り返すことになり、結局、
「ワインの楽しみの半分以上を得られないままのワインファン」
になってしまいます。それは不幸なことですよね。
ジャン=ニコラも、そんなプロの批評家たちを散々見て来てウンザリしているんでしょう。noisy も・・まぁ上から目線で申し訳ないが、そんな印象を受けることは非常に多いですし、そんな批評家のコメントは全く参考にしないようにしています。
皆さんも、noisy を信じるとか信じないとか・・と言うレベルの話しでは無く、せっかくのワインを楽しめるような飲み方をされると良いんじゃないかな・・と思います。まぁ、noisy のように、電子レンジで「チン」してしまったり、砂糖を入れたり塩を入れたりは、しない方が良いですが、少なくとも、
「・・ん?・・やや硬いか・・?noisy はそんなこと言って無かったぞ・・。じゃぁ、取って置きのリーデル・ソムリエ・ブルゴーニュ・グラン・クリュでも使ってみるか?」
とか、
「・・ん?・・もう若いフレーヴァーが無い?noisyは硬いかもしれないって言ってたっけ?・・もう死んでるか?・・じゃぁ、いっそのこと平底デキャンタに落としてぶん回してみて、それからロブマイヤーのワイングラスIIIに落としてみるか?それともIVが良いか・・?」
などなど、やってみることは沢山有ると思うんですね。もしくは、もう完全に終わってるだろうヴィンテージのシャルドネなどをワイン屋で見つけて来て、それを楽しめるように数日掛けて何とかしてみる・・とか。
もっとも、このクロ・サン=フィリベールは、そんなことをしなくても美味しく飲めますので、今のタイミングですと大丈夫です。言っておきますが、勿論ベストのタイミングでは無いし、やや硬いとは言えますが、
「それでも充分に旨い」
はずです。
今回は何と、マグナムも有ります。マグナムをドメーヌが造る・・と言うことは・・そう言うことです。自信があるんですね。プロの批評家が「2015年はノーマルの出来」と判断したところで、先行きの見えないプロが何を言おうと関係が無い・・のでしょう。是非ご検討くださいませ。お勧めします!相当に・・良い出来です。
以下は以前書いたコメントです。
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【ジャン=ニコラ・メオ自慢のモノポールの白です。】 フィネスさん入れのドメーヌ・メオ=カミュゼです。このワインに関してはnoisy も何度もご紹介させていただいてますし有名ですから、ブルゴーニュ・ファンなら知らない人はいないと思います。オート=コートのクロ・サン=フィリベールは、メオ=カミュゼ自 慢の白ワインのモノポール(単独所有)で、やや樽の効いた風味が溶け込み始めると、ニュイの白で有りながら骨格の大きいシャルドネを堪能させてくれます。(シャルドネオンリーでは無いようですが・・)
ニュイの高級白ワインで最もポテンシャルとコストのバランスの良いワインと言え、このくらいの価格ですと10年前と全く変わらないかむしろ安いと言えるかもしれません。ヴォーヌ=ロマネの村からコルボアンの方に上がって行ったところにあるオート=コートの単独所有畑で、メオのワインの裏のエチケットは、▲に飛び出た地図が描かれている・・その▲部分の畑ですね。この畑を誇りに思っている証拠とも言えます。
メオ=カミュゼもドメーヌものになると超人気銘柄でありつつ高価格であること、そして、とてもピュアで生気溢れるアロマが特長ですが、昔は時にそれが行き過ぎてしまっていると感じられる場合が有ったことなどから、「突き抜けた人気」までにはなっていないようです。
noisy のこのクロ・サン=フィリベール・ブランの印象としては、
「ニュイの白ながら大柄。オイリーで樽の関与を上手く使用している。3~5年で大きく変わる。」
というものです。
ところが、メオ氏のコメントを見ると「いつもの年のような樽の関与が少なめ」と言っているように思います。なのでよりピュアなシャルドネに仕上がっているんじゃないかと・・想像しています。
よもや残らないだろうな~・・と思いつつ、残ったら飲もうと心に決めているワインでもあります。ご検討くださいませ。