[ oisy wine ] いや〜激ピュアです。しかし例に同じく攻めた造りですので、揮発酸もあり、現時点で還元もしています。しかし、ゼニスほどアヴァンギャルドではないです。必ず下記コラムをご確認いただいた上で、ご検討くださいませ。
抜栓仕立ては揮発酸あり、還元もあり、どうしたものかと思っていたのですが、ほぼ瓶に残った状態で1週間ほど冷暗所に置いていたところ、還元が取れ、このワインが持つ本来の姿の一部をキャッチできたため、レビューを書いています。ですので、還元が強いと感じた場合は数日様子を見ながら、飲んでみてください。驚くほど激変すると思います。
揮発酸はあるにはあるのですが、おおよそのナチュールファンには受け入れられるレベルかと思います。むしろ「あるからこそ、この香水的なエレガンスの立ち上がりがある」と感じます。
ブルゴーニュというよりは、クロヴァロンのような、少し南の標高が高い産地のエキスの濃度が若干高めなピノ・ノワールです。この果実の表現が素晴らしく、驚くほどにピュアです・・・鮮度の良い生のぶどうを皮を剥いて口にした時の「潤い」のような質感がワインになった現在でも残っているんですよね。
単にジューシーなわけではなく、ごくわずかな揮発のニュアンスが妖艶さを連れてきて、「果実の香水」のようなニュアンスがあります。伝わりづらいかもしれませんが・・・放置しすぎて追熟しすぎた洋梨が、発酵が始まってしまったご経験はありませんか?その時に出る果実の妖艶な発酵の香りに近いものがあります。
味わいは赤い果実に、少し紫蘇のような赤い葉のニュアンスがあり、そこに非常にピュアなあまやかさが乗ってきます。すごく身体に染み渡る液体です。アヴァンギャルドさはあるものの、そこまで強くなく、かなり高いピュア感がそれらを悠々と上回ります。これだけ高いピュア感は・・・なかなか出会えないと思います。
一方でこのピュア感はやはり攻めた故に得られたものであると思いますので、状態管理には細心の注意が必要です。14度付近での保管が望ましいです。20度を超えると酢酸菌が動き出し、せっかくのピュア感を喰い尽くす恐れがあります。
これだけのピュア感、ぜひともそのまま、まるごと味わっていただきたいです。今飲んでもうまいです。ただし還元が見られる場合は上述の通り、時間をかけてみてください。
こういうワインこそ「生きたワイン」と言えるかもしれません。温度管理は重要です。逆にいえば、温度管理さえしっかりできれば数年熟成させてみてもいいと思います。味わい的にポテンシャルあると思います。私もこのようなワインが熟成によってどのような変化を遂げるのか・・・見てみたい気持ちもあります。ご検討くださいませ。